アメリカMBA留学記

投資銀行業界での勤務を経て、MBA取得のためにアメリカに渡ったKokomosuによる留学体験記

東アジアの人は、だいたい同じ

日本人が海外のMBAに留学する際には、よほど英語力が堪能でない限りプレスクールに通うことになります。要は、きちんとMBAプログラムで学ぶことができるように英語の基礎力はしっかりとしておきなさいね、という趣旨の語学学校です。

私も海外経験には乏しく(アジア諸国にちょろっといったことがある程度)、ご多分に漏れずプレスクールに通っていたのですが、今年度の出席者構成を見ると、日本・韓国・中国・台湾の四か国のみでした。MBAの本プログラムにおいては南米・東欧等様々な人種の人も参加することを踏まえると、東アジア人の英語力は客観的に見て劣後しているのかなと思わずにはいられません。(ちなみに、やはり日本人の英語力は断トツで低いと思います笑。)

さて、このプレスクールなるもの、個人的に色々な発見をすることができたいい機会となりました。日本にいる時も東アジアの人と接する機会は結構あったのですが、いずれの場面においても、相手は日本語でコミュニケーションをとることができ、属する集団には日本人が圧倒的に多いというアドバンテージを有する中でのコンタクトでした。翻って、プレスクールにおいては、使用言語は英語、また、日本人がマジョリティであるとは必ずしも言えない状況においてコミュニケーションをとることが必要になります。「中立的な立ち位置」にて対話をする必要があるのです。

渡米前は、東アジアの人との「中立的な立ち位置」でのコミュニケーションに難しさを感じるのかな、と考えていました。自分にアドバンテージが無い状況において、歴史的な経緯(戦争)を踏まえつつ交流することの難しさを頭に置いていたわけです。もちろん、どの国の人もそのような歴史観を口に出すことはありませんが、何かしらのわだかまりやもどかしさを多かれ少なかれ有しながら接点を持っているようです。(お酒を飲みながら話をすると良くわかります。)

でも、実際に腹を割って話をしてみたり、授業を通じてその身振りを観察してみると、東アジアの人って本当に同じなのだな、と感じます。他の国の人ほど自己主張は強くないし、人との距離感をものすごく意識しています。真面目です。

韓国人の友人が言っていた言葉が印象的でした。
「韓国と日本は仲が悪いけど、それはあくまでもPoliticalな話に過ぎない。政治家も僕たちみたいに顔を突き合わせて仲良く交流すればいいのに。そうすれば、古い歴史観に囚われることなく、良好な関係を築くことができるのに。」

そういえば、日本にいて東アジアの人と接していたときも、直接国家間の関係性の悪さを意識したことはありませんでした。”仲の悪さ”は、報道メディアを通じて”知った”に過ぎなかったような気がします。